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黄金の男

カテゴリー: MHF

かつて、この大陸を統治していたシュレイド王国。
繁栄を約束されたかに見えたその王国も、栄枯盛衰の理からは逃れられなかった。
現在は分裂し、2つの国が後継を担っている。

1つは西シュレイド。
目覚しく発展し、現在の実質的な王国として君臨している。
この国が発展したのは、ハンターという職業の存在があったからに他ならない。
人間の脅威たるモンスターを狩猟し、他国に比べ治安が驚くほど良い。
また、それにより得られる素材も様々な恩恵を与えてくれる。

もう1つは東シュレイド。
西シュレイド同様、かつてのシュレイド王国の片割れだ。
だが政治、経済共に西シュレイドに遅れを取っている。
その原因はハンター不足、モンスターの研究不足等が挙げられる。
国王はこの事態を重く見ており、至急対策を取ると宣言している。


天気の良い繁殖期の昼下がり。
俺は狩りに使う道具を調達しに、メゼポルタ広場の商店を渡り歩いていた。
今日は久々の半額デーだ。
必要な物をしこたま買い込み、家路に向かう途中の事だった。

「これ。そこ行く者よ。ちと聞きたい事があるのだが」

金ピカ…


「…え…あ、あぁ。何だい?」(えええぇ…何この人…)

振り向いた俺の目に映ったのは、眩いばかりの光を発する男だった。
持っている武器も纏っている装備も、金ピカなのである。
全身金ピカ。
武器も装備も高価な物だが、それよりも頭に被っている王冠の様なものが目につく。
なんというか、デカい。
明らかにサイズが間違っている。

通行人の視線が痛い…

「実はこの地に来て日が浅くてな。良ければ案内して欲しいのだが、どうだ?」

「どうだ?って…まぁ暇といえば暇だが…」

「おお!それは助かる。では早速行こうか」

「行くってどこに?」

「黒龍を倒しに決まっておろう」

「黒龍!?」

突然現れたこの男は、さらっととんでもない事を言い出した。
初対面で何の面識も無い俺に、よりによって黒龍を狩りに行こうと言うのである。

黒龍…
正式にはミラボレアスと呼ばれる古龍の一種である。
強力な力を持つ古龍種の中でも、更に強力な恐るべきモンスターである。
その存在は伝説とされ、滅多に出会う事はできない。
姿を見た者には災厄が訪れるというが、それはつまり会えば死ぬ、という事である。

そんなボス的なモンスターを、ちょっと飲みに行こうぜ的な感じで誘ってきたのだ。
俺は過去に何度か戦い勝利しているが、今はその準備が整っていない。
黒龍を狩るには周到に練られた作戦と装備、それに頼れる仲間が必要不可欠だ。

「黒龍はちょっと…クックあたりでどうだい?」

「クック?クックとは何だ?」

「イャンクックだよ。知らないのか?あんたHRいくつだ?」

「HR…ホームルームの事か?貴公、何を言っておるのだ?」

俺はようやく理解した。
この男はハンター登録も済ませていない一般人なのだ。
装備を見る限り、相当な資産家なのだろう。
金持ちのボンボンがハンターに憧れ、金で装備を買い、狩場に行く。
よくある話だ。
ハンターは「男が憧れる職業ランキング」で常にNo1を誇っている。
気持ちは解る。男は誰しも強い存在に憧れるものだ。

だが、そんな輩に待っているのは「死」だ。
いくら上等な装備を纏おうが、狩りの知識も無く、また体もできていない。
そんな人間が狩場に出ても、大地の養分になるのは目に見えている。

「イャンクックか。そいつは強いのであろうな?黒龍クラスか?」

「…黒龍なんて、クックに比べれば雑魚だよ」

「おお!なんと!では早速そのクックとやらを倒しに行こうではないか!戦友よ!」

テンション高い…

いつの間にか戦友(とも)にされてしまったが、まぁ良い。
軽くクックでも狩れば満足して帰るだろう。
なにより、俺は一刻も早くこの場から去りたかった。
先ほどから通行人が俺達を見てヒソヒソと話し込んでいる。
これは何プレイですか?

「ふはははは!どうした戦友よ!元気がないぞ!」

俺は仮面の中で深いため息をつき、せめて女の子だったらなぁ、と心の中で呟いた。






















そんなこんなで、俺と黄金の男はクックを狩るために密林を訪れた。
見慣れた風景だが、天候も良くのどかでほのぼのする
狩りを忘れて散策でもしたい気分だ。

なんというか…

「ここにそのクックとやらがいるのだな!どこだ!この青い箱の中か!」

テンションが高過ぎる。
黄金の男は密林に来るのも初めてなようで、はしゃぎまくっている。
武器はガンランス。
初心者には少々扱いずらい代物だ。

「おいおい、ガンランス使った事はあるのか?」

「ほう。これはガンランスというのか!いいネーミングだな!」

「…武器はハンターの命。その特性くらい…おい、こっちに向けるな」

「この引き金はなんだ?引いてみるか!」

人に向けてはいけません

「ちょ!!!」

ギャア!

「ギャア!」

俺は竜撃砲をモロに喰らい火達磨になって吹っ飛んだ。
素人にガンランスは危険すぎる。

「むおお!かっこいいではないか!気に入った!」

「…コラァッ!人に向けて撃つんじゃない!危ないだろうが!」

「おお、スマンスマン。以後気をつけよう!ふはははは!」

俺がハンターでなければ病院行きになるところだ。
黒こげになった俺をよそに、黄金の男は満足げにガンランスを眺めている。
いきなり竜撃砲を見舞われたのには少し腹が立ったが、まぁ良い。
男は実に楽しげだ。
その顔を見ていると少し、ほんの少しだが心が和む。
悪い人間ではないだろう。
出会って間もないが、それだけは解る。
人徳だろうか。この男は人を惹きつける何かを持っている。
それは恐らく先天的な、持って生まれたものだろう。

「さて、いくぞ。イャンクックの居場所は大体目星がついている」

「うむ!余にドンと任せるが良い!このキングバズーカで葬ってやろう!」

悲しい名前を付けられてしまった竜撃砲。
この男は良い人間なのだろうが、ネーミングセンスは良くないようだ。










「いたいた。アレがイャンクックだ」

「おお!アレが!思ったより小さいな!しかもピンクではないか!」

「よし。まずは俺がペイント玉を投げるから…」

「うおおおぉ!喰らえイャンクックめがァッ!」

「うぉいッ!?」

初イャンクック

狩りの段取りを教えようと思った矢先、黄金の男はクック目指して突っ走る。
なんと無謀な男だ。
普通、初めてイャンクックを見た者は攻撃を躊躇してしまうものだ。
イャンクックはハンターの最初の難関。
俺も今でこそ苦戦する事はないが、駆け出しの頃はよく返り討ちに会ったものだ。
だがこの男は発見するや否や特攻をかけたのである。
その男気には敬服するが、やはり危険だ。

「くそ!こんな事ならまともな装備で来るんだった!待ってろ!今行くぞ!」

「来るな!戦友よ!そこで見ているのだ!」

「な、何を言ってるんだ!」

「これしきの相手、余が一人で倒してみせようぞ!」

溢れる男気

そう言うと、黄金の男は果敢にイャンクックへと攻撃を仕掛けた。
最初は初心者同様の動きだったが、徐々にクックの動きに目が追いついている。
突進を避け、回転尻尾攻撃を避ける。

だが、ガンランスの扱いはまだモノにはしていない。
砲撃、斬撃共に空振りをしてばかりだった。
ガンランスはどちらかというと玄人向きの武器である。
初めて手にする武器としては、良いチョイスとは言えない。

「むう!なんだこの武器は!ちっとも当たらんな!こうなれば…」

突然、黄金の男は武器をたたみ、背負い始めた。
一旦体勢を立て直す為に取った行動かと思ったが、そうではなかった。

「おい!今のうちに逃げろ!」

「何を言う!余の辞書に逃走という文字は無い!」

そう叫ぶ男の笑顔は、輝く甲冑にも負けないくらいに光っていた。
そして次に取った行動は…

「お、おい!マジか!?」

「ふはははは!キッツイのを見舞ってやろう!」

黄金の男は、どこから取り出したんだ、と思うほど巨大なタル爆弾を設置し始めた。
大タル爆弾Gである。
イャンクック相手に大タル爆弾Gを使うなんて、一体どれだけのボンボンなんだ。

「喰らえぇい!キイィィィング!ボンバァッ!!」

キングボンバー

キングボンバーという切ないネーミングを付けられてしまった大タル爆弾G。
だが威力が変わることはなく、凄まじい爆音を上げて炸裂した。

燃えながら崩れ散るイャンクック。
ここまでしなくてもいいんじゃね?という声が聞こえてきそうだった。
大地に横たわり、動かなくなったクックを見て、黄金の男は勝ち鬨を上げる。

「うむ!余にかかればこんなものよ!ふはははは!」

「…ははは」

や☆り☆す☆ぎ

少し変わって…いや、かなり個性的な男だったが、なかなか楽しい狩りだった。
久しぶりに駆け出しの頃を思い出していた。
右も左も解らず、がむしゃらに狩場を駆け回っていたあの頃。
もう忘れかけていた初心の心を、この男は思い出させてくれた。

「楽しかったぞ戦友よ!手間をかけたな!」

「いや、俺のほうこそ楽しかったよ。また何か狩りたくなったらいつでも声をかけてくれ」

「うむ!その時はよろしく頼むぞ!…おっと、迎えがきたようだ」

「迎え?…うお!?」

黄金の男の視線の先には、見たこともないような巨大な船が漂っていた。
狩場に直接迎えに来るとは、まったく笑えるほどのブルジョワぶりだ。

巨大な船から家来と思しき数人が、小船に乗って近づいてくる。
俺を警戒しているのか、何人かは鋭い目つきをして懐に手を入れている。
だが黄金の男が目配せをすると、何事もなかったかのように穏やかな顔に豹変した。

「ではまた会おう戦友よ!」

「ああ。今度はゲリョスでも狩りに行こう」

「おお!ゲリョスとな!うむ!よくわからんが楽しみにしているぞ!」

黄金の男は楽しそうに高笑いをし、ヒラリと小船に飛び乗った。
小船はだんだんと遠ざかり、俺達はお互いが見えなくなるまで手を振り合った。
面白い男だった。

「あ、そういえば名前聞くの忘れてたな…まぁ、またそのうち会えるだろう」

なんせ、俺達は戦友だそうだからな。

俺は先ほどの狩りを思い出し、静かな狩場でひとり笑っていた。






















「して、良い人材は見つかりましたかな?」

「うむ!我が国のハンター養成機構の教官は、あの男しかおるまい!」

「先ほどの仮面の男ですな。では早速手配を」

「ふはははは!いつまでも西シュレイドのオマケなどとは呼ばせてはおけぬからな!
 近隣諸国に知らしめるのだ!東シュレイドこそ、大国シュレイドの真の後継であると!」

「承知つかまつりました。陛下」





















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くねす

URL | [ 編集 ] 2008/05/11(日) 16:40:06

お久ぶりです。

う~む、読み応えのあるストーリ。

うらやましい限りですw

JOJOに落ち着きを取り戻してきたので、近々課金予定です。
ごいっしょできる時間が見つかればいつでも飛んできてくだされ!

浪漫の集大成のガンスで吹き飛ばしてあg(ry

みっちょん

URL | [ 編集 ] 2008/05/11(日) 16:45:25

んちゃ

青い箱の中ワロタw
しかも陛下てww
ストーリー展開が見えないw
楽しかったです。
では ノシ

みっちょん

URL | [ 編集 ] 2008/05/11(日) 16:46:38

あ、ところで陛下役って誰なんだろう・・。
あぁ、役っていっちゃったよ。

Daran

URL | [ 編集 ] 2008/05/12(月) 10:36:35

>くねすさん
おや、お久しぶりです~^^
そう言って頂けると更に妄想力が膨らみますw
くねすさんを見かけた時は是非お邪魔しますね^^

>みっちょんさん
初心者の頃は青い箱の中を探しがちですよねw
今回はモンハンの世界観をちょっと出してみました^^
陛下の人ですか?あれはまぎれもない陛下ですよw

みどみど

URL | [ 編集 ] 2008/05/12(月) 13:51:54

ううーん。イイ!先が楽しみな展開になって、妄想膨らむな~^^
あちこちに展開しやすい布石いっぱい置きながら書けるのが素晴らしいわ。
どうなるんだろうなあぁ~。
Daran教官かぁ・・・みど出来の悪い最低最悪の生徒で出演したいよww

nanami

URL | [ 編集 ] 2008/05/12(月) 17:12:53

イイ!!! よくこんなストーリーを思いつきますね~感心シマス!!
今回のも楽しく読ませて頂きました!!
てか、あれは明らかにサイズが間違ってますよね(笑)王冠(笑)
さすが陛下の王冠!!!

ブルジョワぶりもさる事ながら、羞恥心のような馬鹿?世間知らず?
っぷりに癒されました(;゚∀゚)=3ハァハァ

無知という名の特攻は見ていても何だか怒る気になれないのは、
我が子の無謀さとダブルからでしょうか(笑)

Daran教官、とうとう東シュレイドの教官として君臨される訳ですなッッ!!
今後も楽しみにしております!!!

Eru

URL | [ 編集 ] 2008/05/12(月) 17:49:41

大臣の次は王様か~
たのしそうだのう~
次はお付きの爺も登場希望で!
希望で!

Daran

URL | [ 編集 ] 2008/05/12(月) 21:08:05

>みどみどさん
お褒めに預かり光栄ですw
モンハンは世界観の情報が少なくて大変でした^^;
みどさんが生徒に…制服はしくし~路線になっちゃいますよ?w

>nanamiさん
お褒めに預かり恐縮ですw
自分でも、陛下は良いキャラになったと思いますw
あと、私は教官を勤められるほど熟練者ではないですが…^^;

>Eruさん
陛下よりお付の爺が良いのかい?w
Eruさん相変わらず年配好きだなぁw
めっちゃ強くて使える爺とか執事って良いよね!wかこいいw

Wolf

URL | [ 編集 ] 2008/05/12(月) 22:15:43

教官D「貴様らはにが虫以下だ!ババコンガの屁よりも劣る存在だ!」


こうですね、期待してます。

素材が御入用の時はぜひ便利屋ハンターをご利用ください

一撃

URL | [ 編集 ] 2008/05/13(火) 12:21:47

どんどん洗練されておりますなぁ~楽しく拝見させてもらいました。
うちの団員もDaranさんのブログにはまっておりますw 楽しみにしてますぞぉ~

ぜひ悪役、キーキャラに グラビUキャップを使ってくださいw

EXA

URL | [ 編集 ] 2008/05/13(火) 16:42:28

東シュレイドといわれドキっとしたりしなかったりな執事が通りますよ。
大長老との戦いでシリアスモード突入と思いきや
普通に日常に戻ってオモロ~な感じでよかったですw
一度バトルが始まると日常に戻れない漫画の多いこと多いことw

Daran

URL | [ 編集 ] 2008/05/14(水) 19:45:28

>Wolfさん
いつぞやの軍曹ですねw
いやいや、D教官は手取り足取り優しく教えますよ~w
まぁ女性訓練生にはw

>一撃さん
ありがとうございます^^
嬉しいやら恥ずかしいやらです^^;
悪役にグラビUキャップ,イタダキですw

>EXAさん
1つのストーリーに凝り固まらず色々やっていこうと思ってます^^
笑いありシリアスあり、お色気ありでw
当初はバトル漫画じゃなかったのに…ってのが多いですよねw

千里

URL | [ 編集 ] 2008/05/16(金) 22:47:29

読んでいて大爆笑でした(笑
陛下ナイスですー(><b ファンになりそうですよ。
これは今後展開が期待大ですね。
妄想が膨らみまっす。(もんもん

わたくしもあのガンランスでぶっとばされたぃわん。

AGITO

URL | [ 編集 ] 2008/05/18(日) 02:41:40

どうも、お久しぶりですヾ(´ε`*)ゝAGITOです!!
ちょっとした休暇で日本に帰ってきましたよ~
2週間ぶりの日本なんで、時差ボケコメントしますね~ε=\(;´□`)/

相変わらず、妄想が全開なようで・・・何よりです^^この陛下役が誰かは大体想像がつきます!!確かに、MH始めた頃はクックで死にまくってました(笑)
初心を思い出させてくださいまして、ありがとうございました♪(o ̄∇ ̄)/

そして、僕はシアトルに戻ります^^ノシ~

Daran

URL | [ 編集 ] 2008/05/18(日) 13:26:31

>千里さん
陛下は何故か人気があるようですw
でも無差別にキングボンバーを発動するんですよねぇ^^;
今後も登場するかな!?w

>AGITOさん
お土産のマカダミアナッツ、楽しみにしてました!w
陛下のような純粋な心は忘れたくないものですねw
テキサス生まれの団長でした^^ノシ











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